• Japan Alpine Book Club

9.編集後記 上田茂春

編集後記                           上田茂春

本冊作成の経緯については,沖さんが認めた前記の一文に詳述されている。1962年 6月12日に設立された本会もすでに56年が経過した。創立総会に出席した20名のうち,現在も在籍されている会員は水野勉,平田正昭両氏のみである。
これまで本会の創立について断片的に触れた文章はあったが,総括的な記文はなかった。会として,半世紀を過ぎても会のあゆみを積極的に纏めようという機運がなかったことも一因だったが,会員間に潜在的な希求はあったものの顕在化しなかったことにもよっている。
今回,作成のきっかけになったのが韓國山書會からの原稿依頼だった。本来ならば何人かの早期会員の協力を仰ぐべきだったが,締め切りまで二週間足らずという短期間では叶わないことだった。そんなことで,概要を沖さんが執筆,その他は上田が纏めたが思い違いなどがあることを懸念している。
原稿が完成してから思ったことは,韓國山書會の寄稿にとどまるのは〝もったいない〟ということだった。これなら本会員にとっても有益な資料であることに異論はないはずだ。配布だが,もちろん全会員を対象にするのが当然である。しかし,製作費は編者負担ばかりでなく,物理的負担からも全員配布は難しい。60ページの冊子といえども手作りでは30冊程度の製作が限界である。それで、次善の策と考えたのが総会出席者への進呈であった。
それで,次善の策と考えたのが総会出席者への贈呈であった。
本冊の作成は,謂わば「瓢箪から駒」であって,原稿依頼がなければ実現しなかった事例である。「付録」は、新たに参考資料として付した。本文も会員専用として韓国會版に追補したところである。「三木会」の成立について詳述したのがその例である。『山書研究』の書影は韓国山書會版はモノクロだが、本会版はカラーにした。
将来,速成版的な本冊を増訂した全員配布版が作成されることを期待したい。

2017年12月1日